NAの真実を求めて(その1)〜水槽立ち上げ編〜

”水草水槽とは、コケとの戦いの物語である”
昔昔、ここより遠地に住むアクアリストが残したことば。

我々アクアリストは常にこのコケに悩み
怯えて暮らし誰もがこの戦いの輪廻から解き放たれることを望むものの
未だかつて誰一人としてこの呪縛から逃れられた者はおりません。

果たして我々アクアリストたちに救いがもたらされる日はくるのか?
さぁ、それでは今夜も一緒にネイチャーアクリウム物語の世界へ旅に参りましょう。

水草水槽の賢者の石を求めんが為に...

IMG_0955

さて、今回の記事ではエアコンの交換のために閉じることを余儀なくされた
60cm水槽の再スタートの様子をお伝え致しますが、それに織り交ぜまして
私が最近気がつきました一つの試みをご紹介してみたいと思います。

その試みとは、水槽の「立ち上げ」に関するものです。
以下、私の推論をご紹介致します。

 「立ち上げ時からしばらくの間、根気よく大量換水を続け、
 水を綺麗な状態に保った水槽は後々コケの発生しづらい水槽となる。」

また反対に…

「立ち上げ時に水替えを怠り一度でも悪い状態に陥った水槽は、
 後にいくら水替えを続けても良い状態に生まれ変わらせることはできない。」

この60cm水槽システムは
初の本格ネイチャーアクアリウム入門として購入したもので
購入からかれこれ4年半の月日が流れましたが、
期待とは裏腹に延々とコケに悩まされ続け、いつしか私の中では
「水草水槽の管理とはこのように常に手間の掛かるものなのだ」
と割り切って過ごしておりました。

 

しかし、昨年立ち上げた45cmキューブ水槽は
同じスーパージェットフィルターES600を用い
容量は60cm水槽を超えるものの、横幅は60cmよりも15cmも短いので
強い水流で反対側のガラス面に相当のコケが付着するのを覚悟しておりましたが
何としたことかいくら時間が経とうとも
ガラス面にほとんどコケが付かないので不思議に思い
両者の違いを考察した結果、この一点に考えが及びました。

立ち上げの状態がその後の水槽の運命を左右する

IMG_0930

次に、上記の論説を踏まえて、私が気がついたポイントを解説したいと思います。

 

【アマゾニアは栄養分がすごい】

私が使用する底床はいつもADAの「パワーサンド」と「アマゾニア」。
(両者の間には、パワーサンド露出防止の為の「園芸ネット」を敷きます。)

しかし、この「アマゾニア」は長期維持を目的として作られているせいか、他社のソイルに比べてかなり多くの栄養分(肥料分)が含まれているようで、そのため水槽内が富栄養化し易い(=コケが発生しやすい)という欠点があります。

普段他社製品を使っている人がそれと同じ感覚で、アマゾニアを使ったらとんでもない自体に陥ってしまったという話も聞きますし、私自身他社のソイルを使っていた時は確かにコケが少なかったように記憶しております。

レイアウトの長期維持を考えない、またその製品の性能や特性を良く吟味し上で、それを良しとするのであれば、或いは他社のソイルを選択するのも良いと思いますが、アマゾニアを使用する場合は上記の事柄を重々念頭に置いておく必要があります。
(私はADA&天野さんの大ファンなので絶対にアマゾニアしか使わないでしょうけれど)

 

【立ち上げは換水が要】

水を綺麗にするのに「水換え」に勝る方法はありません。

水槽内の水を綺麗にするのは、バクテリアによる「生物濾過」とフィルターの「物理濾過」ですが、立ち上げ初期は水槽内にバクテリアが繁殖しておりませんし、また肥料分というものは生物濾過や物理濾過とは関係がありませんので、立ち上げ時はひたすらに水換えを行う必要があります。

また、ソイルの栄養分は固形化された粒からじわじわと染み出てくるので、立ち上げ時に1〜2度行えば良いのではなく、何週間に渡り続ける必要があります。

 

【換水は米研ぎの如し】

水換えはどのくらいの量を行えばよいのか?
水換えの分量につきましては「日に(水槽容量全体の)半分」という意見が多いようですが、これには明確に決められた量はなく自分で見つけていくしかありません。
個人的には水が水道水と同じ透明度となればよいと思っています。
米を研ぐときに、最後に白濁がなくなるまで流水に晒すのと同じような感覚です。
(もっとも、栄養分は色味がなく目で見て判別できないので目安が分かりづらいのですが)

この水換え調整期間は「3週間〜1ヶ月」を目安としようと思います

最後に、立ち上げに関するその他のポイントを簡単に列挙します。

 

【ガラス機具の設置について】

ガラス機具の設置は、最初に入れた水を抜いて水槽内の水が綺麗になってから

最近のアマゾニアは以前のものに比べて格段にカスや油(?)が浮かなくなりましたが、せっかくピカピカのガラス機具なのですから極力汚れが付かない状態にしてから入れたいところです。

もちろん、濾過機を回し始めるのも、水槽の中の水が綺麗になってから!

 

【栄養剤・添加剤について】

富栄養化を防ぐために水換えをしているのですから栄養剤の添加はしません。
「プラティK」、「グリーンバクター」のみ添加します。

【エアレーションとCo2の添加について】

これは色々な考え方があると思いますが、私は立ち上げ初日は24時間エアレーションをし、Co2の添加は2日目以降としています。Co2も、お世話になっているショップを見ると立ち上げ初期にはかなり強添加しているように見受けられます。

2日目以降もCo2が止まる夜間には必ずリリィパイプによる抜気を行います。

エアポンプによるエアレーションという方法もありますが、ポンプの動作音と水槽内に設置する機具は極力少ない方が好みという理由から、毎晩手動でエアレーションをしております。

 

【生体の投入について①】

生体の投入はもちろん「NO!」です。
早る気持ちはよく分かりますがジッと我慢。
濾材、底床、流木などにバクテリアが十分に繁殖するまで待ちましょう。
生体に対してだけでなく水槽の立ち上げにも悪影響を及ぼします。

 

【生体の投入について②】

まず最初に入れる生体は「ヤマトヌマエビ」「オトシンクルス」を代表とするコケを掃除してくれる生物でしょう。

通常であれば、立ち上げから一週間ほどで、お約束のふわ〜っとした「茶色のコケ」が発生しますので、そのコケの発生に合わせて投入します。

なお、ヤマトヌマエビは大きい個体はけっこうな存在感がありますので、私はいつも「小さいやつを」と注文をつけて購入します。

この水槽のレイアウトは、最後の120cmレイアウトシュミレーションの記事でご紹介した時の状態を、そのままに復元しようかと思います。レイアウト素材無しの水草だけで構成する水景です。

しかし、保管の為に入れた30キューブ水槽の中で管理をおろそかにしてしまい、ナローリープとボルビディスにかなりのダメージを負わせてしまいました。ボルビディスは事前に45キューブに移植したので被害は1ポットだけでしたが、ナローリーフは大部分を捨てることになりました。

また、下草は水上育成していたコブラグラスとグロッソスティグマを用いる予定でしたが、いつも間にやら虫に侵され、あまり良い状態でなかったので保留としてあります。

水槽と共にホースも新らしいものに交換。

ガラスキャビネットは出水ホースが棚の部分に触れると、モーターの振動が干渉してとても五月蠅いのでホースを切る長さと位置についていつも悩むのですが、結局はES600自体を右方にずらすしか対応策が見つかりません。

このクリアホースも、水槽の状態が悪いと汚れて茶色く変色してしまいますが、水槽の中の状態が良ければあまり汚れることはありません。

新しく買い換えた水槽は、古いものとは透明度がかなり違います。
将来さらに透明度が増す日が来るのでしょうか。

写真は、皆様に見せる為にADAの真似をした訳ではなく、水がまだ完全に止まっていなかったことに気がつかず、あわやウォーターフォールとなる寸前のところで気づき、慌てて水栓までダッシュしてギリギリ水を止めることに成功した時の記念撮影です(笑)

さて果たして、今回の私のこの目論見は見事的中し今後のコケとの戦いを軽減される事に成功するのか…それとも相変わらずの輪廻を巡る羽目になるのか…

続報、ご期待下さい。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

[2015.09.30追記]

この水槽はその後、水換えも虚しくガラス面に普通にコケが付く水槽となりました。
また、私の友人からも「特別に良い結果は得られなかった」との報告もありました。

では何故45CUBEは極端にコケの発生が少ない水槽となったのか?と悩んだところ

“45CUBEにはシダ(ボルビディス)の病気予防のために
フィトンギットを(たくさん)入れて管理していたせいではなかったか”

という仮説に行き当たりました。

『AJ』でしばしば「黒ゴケの付着したアヌビアスなどにフィトンギットを
刷毛で直接塗ることでコケを柔らかくして無くす」テクニックが紹介されておりますが
日常的(換水時)にフィトンギットを水槽内に直接添加することでコケが発生しづらい
また、発生しても目立つようになる前にヤマトヌマエビやオトシンクルスなどの
生物によって綺麗にされてしまう(=コケが貯まらない)ようになるとは考えられないでしょうか。

この仮説の正否を検証し是非とも皆様に紹介したいたいところですが
果たしてその機会は訪れますでしょうか…

NAの真実を求めて(その1)〜水槽立ち上げ編〜」への10件のフィードバック

  1. 小気味よい文体と論理的な考察。
    今後の展開を楽しみにさせて頂きます。
    溢れそうな水槽、カッコイイ!!

  2. こういう記事なんですよ、こういう記事が初心者にとってどれだけ大事なことか・・・
    水換えの大事さはですね、ぼくもちょっとだけ分かりました!
    1回ぼくちゃんリセットしたじゃないですかぁ?アマゾニアにして。
    アマゾニアってことでビビりまくって、日に半分かなぁ?
    毎日毎日水換えしまくってたらコケ出ませんでしたね!
    (濾過機を通した水を使ってるのでそれも何かありそうですが)
    けど今も!一切コケが出ないんですよ(^-^)

    だがしかぁし!ぼくが気になるのは、水換えの頻度と、水草の成長の関係です。
    関係ありますかねぇ?ひとつ質問していいですか?
    記事内で書いてなかったと思うんですけど、バクテリアを繁殖させる為にしてることってありますか?
    っで、市販されてる「バクテリアの素」ってどう思いますか?
    これって調べる限り、意見様々なんですよぉ(^_^;)

  3. ↑PUSHさんと同意見!
    こういった内容を読んで、ためになるなーと思い、
    自分も!ってブログを始めましたが・・・さっぱりww
    換水、やはり大事です。どんなに残業で遅く帰ってきてもまだ換水は続けています。
    今週で1ヶ月くらいになるのかな。
    youtubeで、水草も新しいお水が好き、
    初期のコケ対策のほか2,3ヵ月後の活性に活きて来る、って動画を見た記憶があります。
    まだアマゾニアは手を出したことありませんので大変さがわかりませんが、
    後々のため今日も換水がんばりましょうw

  4. >golgoさん
    棟梁、お仕事お疲れ様でございます!
    今回の記事はあくまで推論ですので見当違いの可能性もあります。
    続報をご期待下さい。

    ギリギリ水槽、
    以前にもハマっていたのですが東日本大震災で大変な目に遭ってからずっと控えめです。
    とてもカッコ良いのですがちょっと揺れただけでも掃除する羽目になるのでできないのが残念です…

  5. >PUSHさん
    少しは気分が回復されましたでしょうか?
    言い忘れましたが6〜7月はアクア辞めたい病が発病しやすい時期のようです。
    一転、涼しい季節が到来すると俄然やる気が出てきます。
    あと他人の良く管理された綺麗な水景を”生で”見るのも良い気分転換になります。
    根拠はこれまでの私です(笑)

    水換えと水草の関係については「新鮮な水は水草の成長を促す」という人もいれば「草も魚もこなれた水の方が落ち着く」という人もいます。私もどちらが正しいか分かりませんが、いずれにせよ最初は水換えはガバガバ行いますし、後に水槽内環境が安定すれば必然的に頻度が落ちますので…

    バクテリア
    書こうか書くまいか悩みましたが記事が長かったので割愛した項目。
    パワーサンドやソイルに付着しているのが勝手に増えるまたは自然の空気中のものが勝手に入るのでわざわざ入れる必要はないと言う人もいますよね。
    私は一応バクター100(常備品)を振りかけます。
    水換えしたらグリーンバクターもポタリポタリ…

  6. >オレンジメガネさん
    実は私は水槽の管理の仕方についてはショップの店員さんだけから情報を得ていてブログでは主にレイアウトの写真を眺めているばかりでした。

    でも、ADA特約店の店員さんからはADA至上主義のせいか、今回私が書いたような他社と比較した場合にADAのソイルはどうなのかという話は一切聞かされず、45キューブのアクの件がなければこのことにも延々気がつかないままだった可能性もあり軽くぞっとしています。

    一つの森にこだわらず、たまには自分の住む森から出て他の森を見ることも大切なのだということを改めて思い知りました。

    ただし、今回の記事内容はあくまで推論ですので的が外れる可能性もありますのでご注意下さい。
    また、先日立ち上げから一週間目で茶色コケと共にガラス面に緑のつぶつぶコケが付着したので以降慌てて12割水換えに増量しました。

    コケがついたエリアは、見事に吸水パイプより下の部分だけでしたので、明らかに水槽下方の水の循環が悪い証拠で、次なる課題だと思いました。

  7. 気分はいつでも上々なんですけどね!
    アクア辞めたい病!それって単純に夏だからってことですか!?
    確かに夏は水槽の調子が悪くなるのが目に見えてますね!

    むむっ、グリーンバクター?それは持ってないので手に入れてみましょう!
    あと、冒頭の一文、言われて気付きました!
    軽く言った言葉だったけど、全員が全員コケに悩まされていますよね!
    毎日毎日コケの心配ばかり!
    途中から、コケが出ない方が異常なんじゃないかって思ってきたりしつつ。
    そんなことを思いながら言ったことを、思い出しました(^-^)

  8. >PUSHさん
    天野さんがヤマトヌマエビの能力を発見するまで世界中のアクアリストは大変だったでしょうね〜。
    (正直、よくやってたなと思いますよ)

    「気温とNAの情熱は反比例する」これは今私が考えたことば。
    梅雨〜夏はテンション急降下します。エアコンがあっても必ずいっときはウザったくなります。

    ADAの添加剤は高い!
    バクテリアが早く繁殖する(かも)というだけで必ずしも必要はないかも知れませんよ。
    栄養剤などもADAの買われているようですが、
    アマゾニアの栄養分だけで半年は要らないような気もします。
    (私はプラティKだけ、栄養剤はショップオリジナル液肥を使用)
    そちらにお金を使うのなら、DoではなくADAの水槽買った方が全然有意義だと思います。
    (グリーンバクターだけで水槽の価格差に匹敵しますので)
    透明度が高い水槽は印象がまるで違いますから!

  9. 同意です。立ち上げは重要ですよね。
    自分もCo2を半端なく添加して成長を促進させる派です。
    ガスが少ないとあからさまに代謝が落ちてその分苔に回る気がします。
    キューブキャビ、ジェットのホースが当たると共振して煩いですよね、、、
    同じシステムを持つ者同士の悩みですね(笑

  10. >masakiさん
    立ち上げもっと早く、ショップからアドバイスが欲しかったです(涙)
    私がADAの製品を使い始めてからコケまみれになって悩んでいるのを散々相談したのですから。
    ソーラーの光やジェットフィルターの水流が強すぎるのだとばかり考えていました。
    Co2自分で書いておいてそこに気がつきませんでした。

    そういえば45キューブはコブラの為にバカ添加したのでした。
    なるほど、ありがとうございます。
    共振最近になって出水側のタップを外して使っておりますが
    スーパージェットを空間の真ん中に設置するとどうしても
    ホースが棚板に触れてしまいますね。
    もう1cm空間があれば触れないのではと思います。

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